糖尿病にかかると認知症になるリスクも高くなるってホント?!
糖尿病は、そのまま放置するなら、知らない内に合併症が進むのが、恐ろしい病気です。さまざまな合併症がありますが、なんとアルツハイマーなどの認知症も、糖尿病が深く関係する病気だということをご存知でしたか?
■認知症は糖尿病の合併症のひとつ?
糖尿病の合併症でよく知られているのは、腎症・網膜症・神経障害で、これらは糖尿病の三大合併症として知られています。
糖尿病自体は適切な治療を施せば、それほど恐るべき病気ではありません。しかし、病気の進行が進めば、これら三大合併症以外にも、さまざまな病気を悪化させてしまう原因になってしまいます。
その中に、認知症が含まれます。認知症は、アルツハイマー型と脳血管型に分けることができますが、このどちらのタイプの認知症にも糖尿病が関係することがあります。
年齢を重ねた方がかかりやすい糖尿病だけに、一般的な認知症である、アルツハイマーなどの老年病は、お互いに相関関係にあると言えるのかも知れません。
■発症リスク2倍!どうして糖尿病の人は認知症にかかりやすいの?
実は、糖尿病を患っている期間が長いほど、認知症の発症率が高くなってしまいます。
また、糖尿病を抱えた高齢の方は、そうでない方よりも認知症の発症リスクが約2倍以上にもなる、とされています。
どうして糖尿病の方は、認知症にかかりやすくなってしまうのでしょうか?
糖尿病になると、高血糖のために血の流れが悪くなります。そうすると、脳の血管に障害が起きることになり、脳血管型の認知症にかかってしまうことがあります。
さらに、糖尿病になるとインスリンがうまく作用しなかったり、分泌がないかごく少量の分泌しかない状態になります。
通常においては、すい臓から正常に分泌されたインスリンは糖を分解しますが、実は、アルツハイマーの原因として知られている、悪玉たんぱく質のアミロイドβをも分解する助けを担っています。
そのため、インスリンの不足は高血糖の原因になるだけではなく、アルツハイマー型の認知症を引き起こすとされているアミロイドβを増加させ、神経細胞が死滅していきます。そして、結果的として、アルツハイマーにかかってしまうのです。
■生活習慣を見直せば糖尿病も認知症も発症リスクは下がる?
糖尿病にかかると、認知症にもかかりやすくなりますが、糖尿病の方がすべて認知症にかかってしまう、という訳ではありません。
しかし、どちらの病気の場合も、その発症には生活習慣がある程度関係している、という点ではかなりの共通点がみられます。
食生活に関して言えば、バランスの良い食事を心掛けずに、炭水化物と炭水化物を組み合わせた料理ばかり食べる、暴飲暴食が日常化しているなど、糖尿病にも認知症にも悪い食生活を見直す必要があるかも知れません。
食べ過ぎが、糖尿病を引き起こすひとつの原因になりますが、食べ過ぎや炭水化物のとり過ぎで、分泌されたインスリンがそれらの分解に使われてしまい、悪玉たんぱくであるアミロイドβの分解が追いつかずに脳に溜まることによって、アルツハイマーを引き起こします。
そのため、最近ではインスリン治療が糖尿病だけではなく、アルツハイマーといった認知症の治療としても用いられるようになっています。
■糖尿病も認知症も血糖値を下げることが大切!
糖尿病も認知症も、血糖値を下げることが、予防と改善に繋がると言えるでしょう。
どちらの病気も、進行してしまえば大変なことになります。しかし、進行を遅らせるように早い段階で手を打てば、病気とうまく付き合っていくことは可能だと言えるでしょう。
それでは、血糖値を下げるために、なにをすることができるのでしょうか?
血糖値を下げるための一番の対策は、食事と運動です。
食事については、摂取カロリーに気をつける、空腹時に甘いものを食べない、食べ順や食べ方に気を使うなど、いろいろと制限や制約があるように感じるかも知れません。
しかしながら、ひと度食事に関するセルフコントロールがうまくできるようになれば、自分に自信がつくでしょう。
加えて、サプリメントの力を借りたり、定期的に有酸素運動を行うことによって、血糖値を下げるようにし、ストレスを上手に発散させるようにしましょう。
ひとつ糖尿病対策が成功すれば、必ずほかの分野の対策もうまく行くようになります。すぐに結果がでなくても、諦めないように、良い生活習慣を習慣化させることが大切です。
そうすれば、糖尿病の予防と改善どころか、認知症にかかるリスクも軽減することができるでしょう。
■まとめ
糖尿病が認知症と深い関わりがある、という点を理解することができました。
ストレスを感じたり、忙しい生活を送っていると、ついつい自分に甘くなってしまったり、自分のことを顧みる時間がなくなってしまいます。
しかし、糖尿病やアルツハイマーなどの認知症にかかるリスクを減らすためにも、自分の生活スタイルを、いま一度見直してみる必要があるのではないでしょうか。