毎日実践したい!血糖値を上げない食べ方とは?
血糖値が高い状態が続く糖尿病を改善するには、血糖値を上げないことが必要です。生活習慣病のひとつに数えられる糖尿病ですが、実は、食べ方によっても、血糖値を上げないように気をつけることができます。
■食前に桑茶や大麦若葉を飲むようにしよう
桑の葉をお茶にした桑茶には、血糖値を上げないようにする成分が含まれています。
食事をすると、炭水化物が消化され、α-グルコシダーゼによってブドウ糖へと分解された後、吸収されて血液に入るため、血糖値が上がります。
ところが、桑の葉の成分であるDNJ(1-デオキシノジリマイシン)には、α-グルコシダーゼがブドウ糖へと分解する前に、それと結びついてα-グルコシダーゼの働きを遅らせる力があります。
そのため、食前に桑茶を飲むことによって、DNJパワーの力を借りてブドウ糖の吸収を遅くし、食後高血糖を防ぐことができるのです。
また、食前に大麦若葉を飲むことによっても、血糖値を上げないように助けられるでしょう。ビタミンやミネラルが豊富に含まれている大麦若葉は、とにかく食物繊維がたっぷり含まれています。
大麦若葉の特徴とも言える水溶性の食物繊維は、食事の最初に摂取すると、糖質の分解と吸収スピードを緩めるため、血糖値の急上昇を抑えてくれます。
■いつも腹八分目を厳守しよう
高カロリーのものはよくない、糖質の高いものは避けるべきなどなど、糖尿病になるといろいろな食事制限を行わなければいけません。
しかし最近では、糖質の低いとされている低GI食品を食べていたのにも関わらず、糖尿病が悪化したという例もあるようです。
食事療法は糖尿病には欠かせない治療法ですが、どんなに体にことを気遣った食品を食べていたとしても、「食べ過ぎ」がすべてを台無しにしてしまいます。
ですから、もう少し食べられるけどここでやめておこうという、腹八分目スタイルの食べ方は、糖尿病に有効だと言えるでしょう。
■1回の食事を20分ほどかけてゆっくり食べる
「いただきます!」と箸を取った瞬間、怒涛の勢いでご飯をかき込む姿は、見ていて気持ちのよいものがあります。
ところが、早食いは、糖尿病になる原因や、糖尿病を悪化させてしまう原因になってしまいます。
通常、ご飯を食べ始めると血糖値が上がっていき、追加分泌インスリンが分泌されはじめ、基礎分泌インスリンと共に血糖値を上げないように血糖コントロールをはじめます。
ですが、早食いをすると、食べ物が凄まじい勢いで体内に入るため、追加のインスリン分泌が間に合いません。
そのため、血糖値が急激に高くなってしまいますが、すでに糖尿病にかかっている方の場合には、ふつうの人に比べて、さらに追加分泌インスリンの分泌が遅い傾向にあります。
食後高血糖を引き起こし、食べ過ぎの原因にもなる早食いは、ぜひとも避けたい習慣です。
どうしても早食いをやめられないというのであれば、食事をしながら家族と会話を楽しんだり、何回も食べ物を咀嚼するなどして、ゆっくり食事ができるようにしてみてはいかがでしょうか?
■主食じゃなくて副食から先に食べよう
食事を食べる順番も、糖尿病に深く関係しています。
まず、お米が大好きな日本人であれば、ご飯から食べ始める方もおられるでしょう。しかし、食べ順で血糖コントロールをしようと思うのであれば、それはNGです。
空腹時にいきなり炭水化物をとり入れれば、体内の血糖値は急激に上昇します。血糖値を上げないように食事をとろうと思うなら、まずは副食から食べ始めるのがよいでしょう。
副食の中でも、野菜の料理を先に食べると、水溶性食物繊維が体内に入り、その後に体内に摂取される食べ物を包み込みます。
そうすると、体内での糖の分解と吸収がゆっくりなされるため、血糖値は緩やかに上昇します。血糖値がゆっくり上がるので、インスリンの分泌もうまく行きやすく、すい臓に負担をかけることもありません。
ですから、食事の際には野菜や汁物を先に、次に魚や肉類、最後にご飯を食べるというように、食べる順番に気をつけて食事をするようにしたいですね。
■酢やオリーブオイルを一緒に食べよう
血糖値を上げない食事をしたいなら、酢やオリーブオイルを積極的に取り入れましょう。
酢には、血糖値の上昇を抑える効果があります。甘酢の料理や酢の物など、酢を使った料理を食べるときには、食べ物の胃から腸への移動が緩やかに行われます。
そうして、食べ物の分解・吸収がゆっくりになるため、酢は血糖値を上げないと言われているのです。
糖尿病治療薬として知られている、α-グルコシダーゼ阻害薬のベイスンやグルコバイなどと同じ作用があるとされる酢は、糖尿病にかかっている方にはぴったりな食品です。
一方、オリーブオイルに関しては、不飽和脂肪酸のオレイン酸がたっぷり含まれています。このオレイン酸が、動脈硬化を引き起こす原因ともなる、悪玉コレステロールを除去してくれます。
合併症になることだけはなんとしても避けたい糖尿病の方であるなら、心筋梗塞や脳梗塞の原因になる動脈硬化になってしまうことは、絶対に避けたいもの。
オリーブオイルを摂取するなら、そのような合併症の恐怖や、糖尿病によって起こりやすくなる病気や症状を回避することができるかも知れません。
また、オリーブオイル料理に使用することによって、糖尿病の発症リスクを下げることができる、という研究結果も報告されているほどです。
■まとめ
食べ方や食べ順、そして食べる物に気をつけることで、糖尿病に対処していくことができます。
これらはすべては、実に「些細なこと」かも知れません。しかし、毎日毎食の積み重ねが、糖尿病対策にはとっても効果的。
長く付き合う必要のある糖尿病だからこそ、食べ方を少し変えてみるなど、些細なことだけれども着実に実践できる対策を取る必要があるのではないでしょうか。