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糖尿病ってどんな病気?

   

厚生労働省によると、平成26年の日本国内の糖尿病患者数は、判明しているだけで316万6,000人にも上りました。病院で治療を受けていない方や、糖尿病予備軍の方も含めると、その数は6倍から7倍ほどにも膨れ上がります。現代日本人を脅かす糖尿病とは、どのような病気なのでしょうか?

■なぜ糖尿病にかかってしまうのか?

糖尿病とは、血液中の糖の濃度が高い状態が続く病気ですが、そもそもなぜ糖尿病にかかってしまうのでしょうか?
糖尿病には、主に二種類ありますが、それぞれ1型糖尿病と2型糖尿病と呼ばれています。その他にも、妊娠がきっかけになってしまう糖尿病なども存在します。
1型糖尿病は、血糖値を下げる働きをするインスリンというホルモンが、すい臓のランゲルス島という部分で作られない、またはほとんど作られないことによって引き起こされます。
インスリンが作られないため、血糖値を下げることができず、食事を摂ると血糖値はますます高くなってしまいます。
なんらかのウィルス感染によって、このインスリンが作られない状況に陥るとされていますが、今のところはまだ原因不明の状態です。
2型糖尿病とは、日本人に最も多いタイプの糖尿病です。インスリンの分泌量が少ない、もしくは素早くインスリンを分泌することができないため、インスリン不足となってしまい、血糖値を下げることができません。
一般的には、体質や遺伝によってかかるとされる2型糖尿病ですが、体質や遺伝ではなくとも、肥満でインスリンの効きが悪くなることがあります。
また、炭水化物を大量に摂取し続ける食生活を送っていると、やがてすい臓がインスリンを作り疲れてしまい、糖尿病にかかってしまうこともあります。

■どのような経緯で糖尿病は進行するの?

糖尿病にかかった初期は、ほとんど自覚症状がないと言われています。しかし、そのまま放置しておくと、やがて命の危険に関わるほどの重篤な状態になってしまうでしょう。
では、どのような経緯を経て糖尿病は進行するのでしょうか?
まず、だるさが続いたり疲れやすくなったり、よく喉が渇くなどの症状が現れます。しかし、これらのわずかとも言える異変が体に起きる頃には、糖尿病はかなり進行している状態だと言えるでしょう。
糖尿病はそのままにしておくと必ず進行していくため、糖尿病発病後に適切な血糖値管理をしていかなければ、体中に障害が出てくるようになります。
神経障害や網膜症などの合併症、そして脳血管や冠動脈疾患を患うケースもあります。慢性肝不全になってしまった場合には、人工透析を行う必要も出てくるでしょう。
一度糖尿病にかかってしまうと、生きている限りはずっと付き合うことになる病気です。早期発見できれば進行を遅らせることも可能ですが、そうでない場合や、適切な治療を受けない場合においては、残念ながら死に至るケースもあります。

■糖尿病にはどんな自覚症状があるの?

自分が糖尿病にかかっているなんて、これっぽっちも思わなかった、という人がいるほど、糖尿病とは自覚症状が出にくく、そして自分では自覚症状が分かりにくい病気です。
水分を取るのは基本的にはいいことですが、異常なほどの喉の乾きを覚えるのであり、2週間以上大量に水分を摂取しているのであれば、糖尿病を疑うことができるでしょう。
また、体重が減るのも糖尿病の特徴です。インスリンによって体内の血糖値を下げることができないと、血液が糖でドロドロになり、体中にエネルギーが行き渡らない状態になります。
そのため、ブドウ糖の代わりとして、体内の脂肪や筋肉がエネルギーとして使われていき、結果として糖尿病にかかると体重が減ってしまうのです。
ですから、異常に食欲があるにも関わらず、急にやせてきたのであれば、糖尿病を疑ってもよいでしょう。
その他の自覚症状としては、だるさを感じたり疲れやすくなったり、立ちくらみするなどもあります。
手足が冷えたり、食事後に異常な眠気を感じる、また、傷が治りにくいなども、糖尿病の自覚症状になります。
非常に分かりにくい自覚症状ですが、少しでも異変を感じたのであれば、すぐに病院で受診する必要があるでしょう。

■糖尿病にはどんな治療法が必要?

糖尿病の治療には、いくつか種類があります。基本的には、食事療法と運動療法、そして薬物療法の三種類と考えることができるでしょう。
肥満が糖尿病を引き起こす原因や糖尿病を進行させる原因であるため、食事療法でまずは体重を落とすことが勧められています。
カロリー計算をしっかり行い、栄養バランスのよい健康的な食生活を心掛けることによって、糖尿病の進行を抑えることに効果を発揮します。
運動療法では、適度な運動によって、肥満防止に繋がるだけではなく、インスリンを活性化させることができます。インスリンの効きがよくなるため、定期的に運動を続けることによって、血糖値を下がることができるようになります。
そして最後に、薬物療法があります。インスリン抵抗性改善薬や、スルフォニル尿素薬などたくさんの種類の薬物がありますが、それらを使用して血糖値の上昇を下げるのが、この薬物療法の目的です。

■死に至る?!糖尿病の三大合併症とは?

糖尿病によって引き起こされる合併症が怖い、という方も多いのではないでしょうか?そんな、命取りになり兼ねない三大合併症としては、目の病気である網膜症、腎臓の病気である腎症、そして末梢神経の病気である神経障害が有名です。
糖尿病性網膜症とは、目のかすみや視力の低下から、失明に至ることもあるため、糖尿病の正しい治療を受けることが求められるでしょう。
そして糖尿病性腎症では、蛋白尿が認められるようになり、糖尿病によって腎臓のろ過機能が低下します。最悪の場合、腎不全となった場合には人工透析をする羽目になるかも知れません。
糖尿病性神経障害の中には、知覚神経障害と運動障害、そして自律神経障害の3つが存在します。それぞれに症状は異なり、知覚神経障害では、手足のしびれや冷えなどを経験します。
運動障害では、筋力の低下や顔面麻痺が起こり、自律神経障害では、立ちくらみや胃のもたれの他、下痢や便秘、動悸や異常発汗、そして勃起機能不全などが起こります。
痛みを感じにくい体になってしまっているため、怪我ややけどに気がつかずに壊疽を起こしてしまい、結果として足を切断しなければならなくなる場合もあります。

■まとめ

世界的規模で患者が増え続けている糖尿病ですが、自覚症状が分かりづらいということが、早期発見と早期治療を遅らせてしまうことになります。
早期治療を行うことができれば、完治は難しいかも知れませんが、それだけ糖尿病の進行を遅らせることができます。
血糖値を下げるための適切な治療を行い、自己管理さえしっかり行えば、ふつうに生活していくことは可能です。

そのため、糖尿病のことをよく知って、できる限り早い段階で治療がはじめられるように、自分の体の異変にめざとくある必要があるでしょう。

国内における厚生労働省の糖尿病患者数の参考サイト:
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/10syoubyo/

 
 
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