こんな人は危険？糖尿病の原因になる危険な悪習慣

生活習慣病のひとつに数えられている糖尿病。実は、日本人が糖尿病にかかる原因の多くが、食事や運動などの生活習慣にあると言われています。しかし、忙しい毎日を送っているために、自分の生活習慣などほとんど気にかけていないという方も、中にはおられるのではないでしょうか？そこで今回は、糖尿病の原因になる、危険な悪習慣についてご紹介したいと思います。

■運動不足

世界保健機構（WHO）によると、現在の15歳以上の日本人の運動不足率は、65％という結果になりました。
これに対して、「半分ちょっとだから、そんなに大した数字ではない。」などとは考えないようにしましょう。
欧米人に比べれば、日本人にはスリムな方がかなり多いように思えますが、あの肥満大国のアメリカの運動不足率でさえ43.2％と、日本よりも少ない結果が明らかになりました。
WHOの統計に基づくと、日本では3人に2人が運動不足なわけですが、運動と糖尿病の関係というのは、どのようなものなのでしょうか？
実は、運動を定期的に行うことによって、筋肉によるブドウ糖の消費が促進されることになり、血糖値を下げるのに効果があります。
逆に、運動をしないと、血糖値は高いままの状態が続いてしまう、と言い換えることができるでしょう。
そして、慢性的な運動不足になってしまうと、ブドウ糖の代謝が悪くなってしまい、そうすることでインスリンの効きが悪くなり、糖尿病にかかってしまうのです。

■過食と偏食

食べ物があふれている国、日本。豊かなことの象徴とも受け取ることができる「過食」ですが、実際には過食によって糖尿病にかかってしまうことがあります。
食べ過ぎてしまうと、血液中にブドウ糖が大量にあふれてしまい、インスリン分泌が追いつかなくなります。
すると、インスリンを作り出すすい蔵に負担がかかってしまい、ますますインスリン分泌量が少なくなってしまいます。
そのため、血糖値を下げることができずに、糖尿病にかかってしまうのです。
また、食べ過ぎだけではなく、偏食も糖尿病にかかるリスクを高めます。忙しさにかまけてしまい、不規則な食事や同じものばかり食べる偏食に陥っているなら、バランスのよい食事を規則正しく摂るよう、心掛けることが必要でしょう。

■ストレスを抱えやすい

ストレスには、良いストレスと悪いストレスが存在します。しかし、日本人は、遺伝的にも悪いストレスを抱え込みやすい国民のようです。
ストレスを抱え込んだまま、それをうまく発散させることなく、新たなストレスを抱えることになるため、結果としてそれが糖尿病を引き起こす原因となるのです。
人はストレスを感じると、交感神経が活発になり、血糖値を上昇させるホルモンが増えます。アドレナリンやコルチゾール、グルカゴンなどがこれらのホルモンの中に含まれますが、そうなってしまうと、インスリンを分泌するすい蔵に、またもや負担がかかることになります。
また、ストレスによる過食も、糖尿病の原因となるため、ストレスをうまく解消していくことが重要になるでしょう。

■睡眠不足

睡眠不足は、糖尿病にかかるリスクを高めます。睡眠が足りていない状態は、ストレスを感じたときと同様に、交感神経を活発にし、血糖値や血圧、心拍数を上昇させるホルモンを分泌します。
それらのホルモンが、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効きを悪くするため、結果として糖尿病にかかってしまうことになります。
その他にも、慢性的な睡眠不足による無気力な状態が、運動不足などの糖尿病にかかる要因である悪習慣を引き起こすこともあります。
睡眠不足の状態は、食欲を増進させるホルモンを活発にするため、糖尿病の原因となる過食を招くことにもなります。

■早食い

早食いをすることによって、必要以上にたくさん食べてしまう恐れがあります。つまり、早食いをすると、血糖値が上昇し、満腹中枢の指令が働くのが遅くなります。
お腹がいっぱいだという感覚がなかなか得られないため、次々と食べ物を体内にとり入れ、必要以上のカロリーを摂取してしまうことになるのです。
また、いっきに食べ物を体内に摂取すると、血糖値が急激に上昇します。そうなると、血糖値を下げる働きをするインスリンも分泌を促されるわけですが、あまりにインスリン分泌量が必要になると、すい臓に負担をかけることになります。
そのため、早食いの習慣のある方は、すい臓に負担をかけすぎてしまい、インスリン分泌量が少なくなるため、やがて糖尿病にかかってしまうのです。

■アルコールの飲み過ぎ

糖尿病にかかってしまうと、お酒を控えるように勧められることがあります。アルコールの飲み過ぎは、カロリーの過剰摂取に繋がってしまうというのが、ひとつの理由としてあげられるでしょう。
また、アルコールを飲むと胃が刺激されて食欲が増進し、必要以上に食べ物を食べてしまう恐れがありますし、そうすることで、血糖値を下げる働きをするインスリンの分泌量の低下を促してしまいます。

■まとめ

糖尿病のきっかけとなる悪習慣をいくつかご紹介しましたが、いかがでしたか？
睡眠不足やストレス、アルコールの飲み過ぎや過食などが、お互いに深く関わりあっており、お互いに誘発しあっていることがよく理解できたのではないでしょうか？
そのため、これらの悪習慣のうちのどれかひとつを改善しただけでは、糖尿病を完璧に回避することはできません。
努力の必要なことかも知れませんが、生活習慣全体を健康的なものにすることによってはじめて、糖尿病にかかるリスクを下げることができる、と言えるでしょう。
運動不足に関するWHOの統計参照サイト：http://www.who.int/nmh/publications/ncd_profiles_report.pdf
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1400I_U1A910C1CR0000/

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